オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:辻永 順太、以下オムロン)は、組み込み向け高速データ連携技術を有するSALTYSTER株式会社(本社:長野県塩尻市、代表取締役社長:岩井 正一、以下SALTYSTER)に出資することに合意しましたのでお知らせします。オムロンの出資比率は約48%です。出資完了は2023年11月1日を予定しています。
近年、製造業は品質や生産効率といった経済的価値の更なる向上が求められています。同時に、エネルギー生産性や従業員の働きがいといった社会的価値も高めていく必要があり、お客様の課題は複雑化しています。経済的価値と社会的価値を両立する生産を行うためには、1000分の1秒という微細な周期で変化する製造現場のデータを可視化し、複数の設備にまたがる制御を最適化することが必要です。これらの課題解決に向けて製造業のDXが進むにつれ、膨大なデータを迅速に収集・統合・分析するニーズが高まっています。
オムロンは、高速・高精度な制御技術を活用し、顧客の現場データを収集・分析し、課題解決を実現する様々な制御アプリケーションを開発・提供してきました。オムロンが出資するSALTYSTERは、製造設備に関わる設備データを時系列で高速に統合する高速データ統合技術を有しています。また、オムロンは制御機器をはじめとする製造現場の知見や、様々な設備への組み込み技術を有しています。
今回の出資により、オムロンの高速・高精度な制御技術から生成される制御データと、SALTYSTERの高速データ統合技術を高度に連携させます。顧客の製造現場のデータを時間同期して高速に統合し、他社の制御機器、人、エネルギーなどの情報も収集することで、これまで設備ごとに異なるデータ周期やフォーマットで分断されていた現場データを高速に統合・分析することが可能になります。分析結果を機器パラメータにリアルタイムにフィードバックすることで、「不良品を出さない製造ラインの実現」や「エネルギー生産性の向上」といった、複雑化する顧客の経営目標に繋がる現場課題の解決を、製造現場全体で実現します。例えば、ライン全体の機器やワークの状態変化を把握し、機器パラメータを調整することでエネルギー消費を最適化したり、不良品を出さない生産ラインを実現することで、廃プラスチックの削減やエネルギー生産性の向上に貢献します。
オムロンは、今回のSALTYSTER社への出資により、両社の強みを活かした価値提案を展開することで、お客様の製造現場における生産効率と品質を維持しながら地球環境保全に貢献し、さらなる企業価値の向上を目指します。
オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー プレジデントの山西基弘氏は次のように述べています。
「製造現場からあらゆるデータを収集・分析することは、お客様の複雑な課題を解決する上でますます重要になっています。しかしながら、製造現場における様々な機器の高速動作や、データ取得周期のばらつきなどから、これまでは各機器を適切な時間軸で連携・統合することが困難でした。SALTYSTERは、高速データ統合を可能にするデータベース技術と、製造現場における制御機器に関する豊富な実績を有しています。両社の技術を組み合わせることで、これまで実現が困難であったニーズを解決できることを大変嬉しく思います。」
SALTYSTER代表取締役の岩井正一氏は次のように述べています。
「あらゆるシステムのコア技術であるデータ処理は永遠の標準技術であり、沖縄、長野、塩尻、東京の4拠点で分散型の研究開発を行っています。当社の高速・リアルタイム分析・拡張性のあるデータベース技術と、オムロンの高速・高精度な制御技術が密接に連携することで、世界最速・高性能・高精度な製品の開発に携われることを大変嬉しく思います。また、各種センサー、通信、装置、システム技術とのつながりをさらに強化し、グローバルで競争できるデータベース、IoT製品の開発を目指します。」
投稿日時: 2023年11月6日