パナソニック株式会社(本社:東京都港区、社長:品田 昌宏、以下 パナソニック)は、SBIインベストメント株式会社と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド「パナソニックくらしビジョナリーファンド」を通じて、クラウド技術を活用したグローバル不動産のクライメートニュートラル実現に向けた技術アシスタント「R8 Digital Operator Jenny」を提供するR8 Technologies OÜ(本社:エストニア、CEO:Siim Täkker、以下 R8tech)への出資を決定しました。同ファンドは昨年7月の設立以来、4社への投資を行っており、成長著しい欧州のテック企業への投資は今回が初めてとなります。
ビルエネルギー管理システム市場は、2022年から2028年にかけて年平均成長率(CAGR)で10%以上成長すると予想されています。この成長は、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの利用増加、カーボンフットプリントへの関心の高まり、そして2028年までに市場規模が約100億米ドルに達すると予測されていることに牽引されています。2017年にエストニアで設立されたR8techは、商業用不動産向けに人間中心のエネルギー効率の高い自動AIソリューションを開発しました。R8techのソリューションは、環境意識が高く、エネルギー価格の変動がますます懸念されるヨーロッパで広く導入されています。AI搭載の暖房、換気、空調(HVAC)需要側管理および制御ソフトウェアであるR8 Digital Operator Jennyにより、R8techはビル管理システム(BMS)をプロアクティブに分析・調整します。同社は、年間を通じて24時間自律的に稼働し、人間の介入を最小限に抑えるクラウドベースの効率的なビル管理を提供しています。
R8techは、世界的な不動産クライメート・ニュートラル目標達成を支援する信頼性の高いAI搭載ツールを提供しています。エネルギー節約、CO2排出量削減、テナントの健康と福祉の向上、そして建物のHVACシステムの寿命延長を実現します。さらに、このAIソリューションは不動産管理業務の効率化に大きく貢献しており、商業ビル市場が盛んな欧州全域で300万平方メートルを超える顧客基盤の構築に成功しています。
パナソニックは、商業用不動産向けに配線器具や照明器具などの電気設備に加え、空調設備やエネルギーマネジメントなどのソリューションを提供しています。R8techへの出資を通じて、世界中の商業用不動産におけるさまざまな環境条件に合わせ、環境負荷を低減しながら快適で省エネな建物管理ソリューションの実現を目指します。
パナソニックは、エネルギー、食インフラ、空間インフラ、ライフスタイルなど、人々の暮らしに密着した領域で競争力を持つ国内外の有望なテクノロジー企業への出資を通じて、強固なパートナーシップに基づくオープンイノベーションの取り組みを今後も強化していきます。
■パナソニック株式会社 コーポレートベンチャーキャピタル室長 郷原邦夫氏のコメント
当社は、高い評価を得ているAI技術を活用したエネルギー管理サービスを提供するR8techへの今回の投資により、特に欧州における現在のエネルギー危機を踏まえ、快適性、持続可能性、省エネ効果の両立に向けた当社の取り組みが加速することを期待しています。
■R8tech株式会社 代表取締役 Siim Täkker 氏のコメント
パナソニック株式会社がR8テクノロジーズの開発するAIソリューションを評価し、戦略的パートナーとして選定されたことをお知らせいたします。同社の投資は大きな前進であり、持続可能なAIを活用したビル管理・制御ソリューションの開発・提供において協業できることを大変嬉しく思います。私たちの共通の目標は、不動産セクターにおけるクライメート・ニュートラルを推進し、世界的なグリーンエネルギーへの移行を強力に支援することです。
気候変動と責任ある不動産管理が世界中で中心的な課題となっている中、R8 Technologiesの使命は、より持続可能で快適な世界を創造するというパナソニックのビジョンと合致しています。AIとクラウド技術の力を活用することで、私たちは不動産エネルギー管理を再構築しました。R8techのAIソリューションは既に大きな成果を上げており、世界中で52,000トン以上のCO2排出量を削減しています。また、毎月多くの不動産業界のリーダー企業が当社のAIを活用したソリューションを導入しています。
パナソニックの豊富な専門知識と製品・サービスと当社の技術を融合させ、日本およびアジアの商業用不動産に比類のない快適性とエネルギー効率をもたらす機会に大変興奮しています。私たちは共に、不動産エネルギー管理の変革をリードし、最先端のAIソリューションを活用し、より環境に優しく持続可能な未来の実現を目指します。
投稿日時: 2023年11月10日